研修報告:東京出入国在留管理局 羽田空港支局にて

本日、羽田空港の出入国在留管理局で行政書士を対象とする研修を受けてまいりました。研修では、偽造パスポートや在留カードが疑われる場合に、専門的に鑑定を行う部署の方々から、偽造防止のために施されているパスポートや在留カードの技術について興味深いお話を伺うことができました。

また、羽田第3ターミナルの上陸審査及び出国審査のブースを見学し、実際の上陸や出国の審査の流れについてご説明いただきました。午後3時頃、上陸審査のブースの前では、多くの外国人の方が行例を作っていました。日本の国としては飛行機の到着から上陸審査の完了までを20分以内で行うことを目標に掲げているそうですが、実際には60分以上かかることも多く、時間短縮のために既に様々な取り組みが進められているそうです。主に日本人と短期滞在の方が利用できる自動化ゲートの導入に加え、列に並んでいる間に指紋や顔写真を取得できる機械も導入されておりました。

① パスポートと査証の確認

  偽造ではないか、査証が有効であるかを確認。

② 生体情報の取得

  指紋と顔写真を取得し、入管のリストと照合。

③ 申告内容の確認

  外国人入国記録またはVISIT JAPAN WEBの申告内容を確認し、滞在目的や滞在期間が適切であるかを判断。

全ての確認に問題がなければ、上陸許可の証印がパスポートに貼付されます。

さらに、外国人が出国前に航空会社へ提出した情報も、事前に入管に共有されており、上陸審査において参照されます。不審な情報があった場合には、より詳細な審査が行われます。

有効な査証や認定証明書を持っている方は、通常は問題なく上陸許可を得ることができますが、まれに上陸を拒否され、退去命令が出される場合もあります。その場合は、原則として、その外国人が搭乗した航空会社の責任において速やかに帰国をしなければならず(根拠規定:入管法第59条1項)航空券の費用負担については、外国人本人と航空会社の話し合いでそれぞれ決定されます。

なお、私たちの日本のパスポートは来年3月24日以降の受理分から、顔写真のページがプラスチック化するそうです。既に世界の半分以上の国で導入されている方式で、日本はやや遅れての導入になりますが、これにより、偽装がより困難になることが期待されています。

今回の研修は、普段接することがない部門の入管職員の方々の業務を理解するとても良い機会となりました。

上陸審査の流れをより理解することができ、私たち行政書士がお客様のご依頼を受けて短期滞在の書類を作成する際には、滞在目的と滞在期間が適切であるかをしっかり押さえ、よくヒアリングした上で作成することが重要であると感じました。

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takadayuriko
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